診療のご案内 [胃内視鏡]

胃カメラ検査のことです。楽に検査を受ける方法、ピロリ菌の最新の治療法、バリウム検査との違い、胃癌について、などをお話します。

経鼻内視鏡の動画

熊本のKKTテレビ・テレビタミンで、当院の経鼻内視鏡検査が紹介されました。

ビデオを再生するにはFlash Playerが必要となります。ご覧頂けない場合は、コチラよりダウンロードしてください。

メディア掲載:熊本日日新聞から取材を受けました

当院が熊本日日新聞に掲載されました。(2009.12.08)
右の画像をクリックすると詳細をご覧いただけます。

鼻からの内視鏡検査の流れについて(当院の場合)

通常の経口内視鏡検査と、前日・当日の来院までは同じです。(当院;胃内視鏡検査を参照) 異なるところのみ、簡単に記します。

  1. 挿入するほうの鼻に必要十分な、表面麻酔薬を使うこと。これがきちんとできれば、検査が楽に成功することがほぼ決まったようなものです。
    胃をキレイにする薬(消泡剤)を飲んでいただいた後から、鼻の表面麻酔に入ります。
  2. 検査には、鎮静剤を使用しませんので、検査が終わったら、すぐに帰宅できます。車を運転しないと困る方、忙しい方、仕事中のかた、など、午後に用事がある人には最適の検査といえます。
  3. 検査中も画面を見ることができるので、安心感が増すと感じる方が多いです。口はふさがっていませんので、話すことが可能です。

経口内視鏡は無くなってしまうのか?

そういうことはありません。経鼻内視鏡は、経口内視鏡の存在があって、初めてその威力を発揮します。お互いに役割を分担することで、内視鏡検査が社会により一層貢献することができると考えます。経鼻内視鏡は、健康診断や手軽に検査を受けるための手段として欠かせませんし、経口内視鏡は、精密検査や内視鏡治療に必要なものです。

当院では、ケースバイケースで、内視鏡を使い分けています。受ける患者さんの気持ちになって、検査方法を一緒に考えることが大切だと思っています。

経鼻内視鏡が楽な理由は

一つは、内視鏡が、舌の根元を通らないので、「オエッ」とする吐き気が生じません。

二つは、スコープ自体が、従来の約半分(5mm)と超細になり、しなやかになったこと。このため鼻から挿入することが可能になりました。

鼻から通すなんて、できるのかな?とお思いのかたもあると思いますが、百聞は一見に如かずといいます。私自身も当初は半信半疑でした。しかし、自分で実際に経験して、これからの時代ではこの方法がスタンダードになると確信しました。

話題の経鼻内視鏡は本当に楽なのか?

答えはもちろん「Yes」です。

超細のしなやかな軟らかい内視鏡が開発されたおかげで、胃の検査は新しい時代に突入しました。どなたでも、楽な検査を受けることが可能な時代になったのです。内視鏡医として、社会に貢献できる、こんなに嬉しいことはありません。

「検査がこわい、初めてでイヤだ、以前すごくきつかった」というかたに、逆にオススメの方法なのです。いまや、検査を躊躇する理由はなくなりました。おなかの調子がおかしい、精密検査といわれたけど怖い、など、悩んでいらっしゃった方は、その悩みから早く解放されてください。

本当ですか?宣伝だけじゃないの?

楽であるかどうかは、実際お受けになる患者さんが感じることです。現在、日本で経鼻内視鏡がどんどん増えている現状は、患者さんのニーズがそれだけあるからだと考えています。

検査の費用とご注意点

胃カメラ検査

観察のみの場合:3割負担のかたで、4,500円程度です。所要時間5分程度。
組織採取もした場合:3割負担のかたで、8,500円程度です。所要時間8分程度。

 

胃内視鏡検査の手順

ご家庭での準備
  1. 検査前日、夜9時くらいまでに、軽めに夕食を済ませてください。その後は、水分(水、お茶)の摂取はOKです。
  2. 検査当日、朝食をとらずに来院してください。水、お茶の摂取はOKです。
  3. 常用薬を飲んでいる方(血圧、心臓)を飲んでいる方は、朝8時までには飲んでおいてください。糖尿病薬(内服、インスリン)は、使わないで来院してください。
  4. 着脱しやすい服装で来院ください。
来院後の流れ(看護師が丁寧にご案内します。ご参考までに)
  1. お荷物はロッカーに入れてください。貴重品はできるだけ持参しないでください。
  2. 時計、めがね、義歯ははずしていただきます。
  3. 検査中に使用する薬剤の注射のため、また、安全確保のため、手に静脈留置針(サーフロー)を注射します。特に痛くはありませんので、ご安心ください。
  4. 前処置として、白い液体のお薬(消泡剤)を飲んでいただきます。胃の中をキレイにします。
  5. のどの表面麻酔薬を、口からスプレーで散布します。しばらく、のどにためていていただきます。よく麻酔が利きますように、しっかり行います。
    (超細内視鏡で、鼻から入れる場合は、鼻の中に表面麻酔薬を塗ります)
  6. 検査ベッドに横たわっていただき、ベルトをゆるめ、検査台の上に左側を下にして、横向きになります。
  7. マウスピースをお口にくわえます。小さいお口のかたでも心配しないで大丈夫です。
    (経鼻の場合は使用しません)
  8. 胃の運動を止める薬や、鎮静剤を注射します。いよいよ検査が始まります。
  9. 検査中は、力をなるべく抜いて、楽にしてください。鎮静剤が効いていると、あまり意識することがないと思います。
  10. 検査時間は、約5~10分程度です。
  11. 検査が終わったら、回復室に、看護師がご案内します。
検査終了後
  1. 回復室で、1~2時間、お休みいただきます。十分休んでいただいてから、起きて身支度を整えていただきます。
  2. 内視鏡の写真をお見せしながら、検査のご説明をいたします。
  3. 鎮静剤を使用した方は、車の運転は禁止です。(経鼻内視鏡の場合は、鎮静剤を使用しないので、すぐにお帰りいただくことができます)
  4. 粘膜を採取した場合は、検査結果を後日(約2週間後)聞きに来ていただくことになります。
  5. おつかれさまでした。
    【検査当日の注意点】車・バイク・自転車の運転は、当日は禁止です(翌日からOK)。飲食は1時間後からOKです。過激な運動は避けてください。お風呂もさっと切り上げてください。

当院で胃カメラ検査を受けるには

初めて来院された方でも当日の検査が可能です。

検査のご予約はお電話でも承ります。
検査のご予約のために、あらかじめ受診していただく必要はございません。
ただし、当日の検査数がオーバーした際には、後日になる場合もありますので、お電話であらかじめご予約いただくほうが確実です。
腹部エコー検査も同じ日に行うことが可能です。

検査は午前中になります。

午前中の外来に並行して検査をおこなっています。
口からの胃カメラの場合は、多くの場合、静脈麻酔を行いますので、検査終了してから1~2時間程度、リカバリー室で休んでいただきます。時間には十分余裕を持って来院ください。
鼻から胃カメラの場合は、静脈麻酔を致しませんので、検査終了後すぐにお帰りいただけます。ただし、外来の都合で、説明まで多少の時間がかかる場合があります。検査に実際かかる時間は5分程度です。

検査の準備は簡単です。

前日の夕食は、午後9時までに済ませてください。その後、水分(水・お茶)の補給はかまいません。
当日は、朝食を抜いて来院ください。大量でなければ、水分(水・お茶)の補給はかまいません。

内視鏡検査の実際

内視鏡イメージ

「今日の胃カメラは楽だったよ。こんなに楽なんて知ってたら、もっと早く受けたのに」と、おっしゃる方が多いです。
いまや、検査の際に、鎮静剤(眠たくなるお薬)を注射してもらわないなんて、もったいない。そんな風になってきています。私も、毎年実際に内視鏡検査を受けていますが、鎮静剤を使ってもらうと、自分の不安な気持ち、痛いかもしれない、病気が見つかったらどうしよう、などどいう気持ちが吹っ飛んでしまいます。「目が覚めたら、いつの間にか検査が終わっていた」そんな感じです。

ただし、鎮静剤の注射(セデーション)は、全身麻酔の一種になりますので、万が一のリスクを伴います。注射の量は、体重や年齢、体調などによって増減されますし、消化器内視鏡学会が認めた薬剤を、細心の注意を払って慎重に使用することにより、安全に、しかも楽に検査を受けることが可能になっています。
当院では、最新の超高画質の内視鏡を使用しています。
口から挿入する内視鏡は、直径約9mmです。この際に鎮静剤を注射すると、本当に楽に検査が受けられます。鎮静剤を注射した検査の後は、1~2時間程度、回復室でしっかり休憩していただいて、安全を確認してから帰宅していただいております。
注意点ですが、検査終了後当日は、お車・バイク・自転車の運転は危険なので禁止です。公共交通機関の利用、ご家族による送迎、徒歩をご案内しております。

また、最近話題の、鼻からの内視鏡は、直径5.9mmです。鎮静剤を注射しなくても、ほとんどの場合は楽に検査を受けられます。気軽に受けられるのが特徴の検査です。
どちらを使用するかは、診察の際に患者さんに選んでいただき決定しています。
私自身は、経口による検査(鎮静剤を使う方法)と、経鼻による検査(鎮静剤を使わない)を両方とも受けたことがあります。どちらも楽でしたし、次回受けるときも、どちらでもいいと思っています。

実は経鼻内視鏡を使って、時々私は、自分自身で、自分の胃を観察しています(患者さんはできませんよ)。麻酔方法などを研究するときに、自分で試すのが一番わかるからです。スタッフには、変な先生とみられているかもしれませんね(笑)。
鼻やのどへの表面麻酔は、学会の方法を参考にしながら、さらに進化させています。
以上、胃内視鏡検査の場合の説明でした。

一方、大腸内視鏡検査の場合は、鎮静剤を使用したり、使用しなかったり、ご本人と相談しながら決めています。使用したほうがもちろん楽ですので、ほとんどの場合は使用しています。使用しないで検査することも、もちろん可能です。いずれにしても、「検査は無理をしない」が鉄則です。無理をすると、思わぬ偶発症を引き起こしてしまう原因になります。
大腸の場合は、検査が簡単に終わりそうな体格の方は、鎮静剤なしでもほとんど支障ありませんし、そうでない方は、最初から鎮静剤使用をおすすめしています。当日ご本人とお会いしてみないと、何ともいえないのですが、鎮静剤を使用すると仮定して、ご準備をお願いしているのが実際のところです。
大腸内視鏡も、以前の硬く、太い内視鏡から、基本的に細くしなやかに進化しています。拡大内視鏡といいまして、ボタン一つで病変を顕微鏡みたいに拡大して見れるものもあれば、超細径内視鏡は挿入がすごく簡単です。当院では、両者をそろえており、患者さんの体格や検査目的などを勘案し使い分け、最適な検査になるようにしております。